安倍首相演説に「韓国は最も重要な隣国」が復活 ただし「元来」が付き、約束順守を要求 切実メッセージに込められた思い

安倍首相の施政方針演説で注目された韓国への言及がまた変化
1月20日、2020年代最初の国会となる通常国会が召集され、安倍首相が施政方針演説を行った。この中で安倍首相は、今年の東京オリンピック・パラリンピックを最高の大会とし、新しい時代へと踏み出そうと呼びかけた。その上で全世代型社会保障改革や温室効果ガスの削減などに取り組む決意を示し、憲法改正の議論を進めるよう呼びかけた。一方、外交面では韓国への言及に変化が見られた。

「最も重要な隣国」韓国重視の表現が久々の復活
安倍首相はこの演説の外交に関するパートの中で、「新しい時代の日本外交を確立する。その正念場となる1年だ」と訴えた。そして個別の国との二国間関係について言及したが、その中で、韓国に関する言及は、「北東アジアの安全保障環境が厳しさを増す中で、近隣諸国との外交は極めて重要になっています」と、北朝鮮に向き合う意味でという前提を付けた上で、以下の内容となった。

「韓国は、元来、基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国であります。であればこそ、国と国との約束を守り、未来志向の両国関係を築き上げることを、切に期待いたします。」

今回の演説での韓国に関する文言で最大のポイントは「基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国」という表現が復活したことだ。では一体どれくらいぶりの復活で、そこにどういう意味があるのか。そこでここ数年の施政方針演説をさかのぼって、今年の表現と過去の表現を比べてみたい。まず去年の表現を見てみよう。

2019年施政方針演説
(北朝鮮をめぐる段落の中で)「米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります」

去年はこのように、韓国についての段落を設けず、北朝鮮に関する言及の中で韓国との連携に触れるだけという「韓国スルー」だったのだ。この扱いは元徴用工問題や韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射などを機とした日韓関係悪化を象徴する変化だった。続いておととし以前にさかのぼって演説を見てみる。

2018年施政方針演説
「韓国の文在寅大統領とは、これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新たな時代の協力関係を深化させてまいります。」

2017年施政方針演説
「韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新しい時代の協力関係を深化させてまいります。」

この文在寅大統領の就任前の時点である3年前の演説までさかのぼって初めて「戦略的利益を共有」そして「最も重要な隣国」という言葉が復活した。つまり今回は、文在寅政権になってから初めて韓国を「最も重要な隣国」と定義したことになる。では「基本的な価値の共有」という表現の使用はいつ以来なのか。もう少し時をさかのぼってみる。

amazon

フォローする

Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.